【百合漫画紹介】五年間の連載に幕!『踊り場にスカートが鳴る』を紹介!

 こんにちは。風織リンゼです。日々いろんな漫画を読んでいると、毎月何かしら追っていた作品が完結してしまい、その度に「行くな!!私を置いていくなアアアア!!」という気持ちになっているのですが、特に気に入って電子書籍ではなく紙の本で集めていた漫画とかになると、その想いはより強いものになるわけでして……。今回はそんな私のお気に入り作品であり、昨日(10月18日)最終巻が出た作品である『踊り場にスカートが鳴る』を紹介していきたいと思います。

『踊り場にスカートが鳴る』について

『踊り場にスカートが鳴る』は『コミック百合姫』(一迅社)において2020年10月号から2025年10月号までに掲載されていた百合作品。高校の社交ダンス部を舞台に、パートナー(女役)として踊りたいと思いながらも、自分の身長の高さを理由にリーダー(男役)を続けてきた高校2年生の春間(はるま)ききと、小柄ながらもリーダーを希望している高校1年生鳥羽見(とりばみ)みちるの関係性を描いた百合作品。百合ナビの第六回百合漫画総選挙において第8位に入賞しており、百合好きから人気も高い。また、各キャラクターのそれぞれが社交ダンスにかける想いがしっかりと描かれているため、百合漫画としてだけでなく、青春モノとしても非常に魅力的な作品となっている。

 本作の物語は社交ダンス部に所属していたききが、幼馴染でありパートナーであった合歓木紫苑(ねむのき しおん)から突然ペアの解消を告げられることから始まる。新しいパートナーを探すことになったききは、先輩の紹介で社交ダンス部入部希望者であり、ダンス経験者でもあるみちると出会う。人形のような容姿でドレス映えしそうな可愛らしさを持つみちる。ききはみちるにパートナーになって欲しいと持ち掛けるが、みちるには「私はリーダーしかやりません」と断られたうえ、体格や容姿で決めつけるなんて浅はかだと言われてしまう。その考えは間違いではないとわかっているものの、ききは自身の背の高さにより可愛いものが似合う女の子でいられなくなったというトラウマとコンプレックスから素直に受け入れられずにいた。そんなことがあった翌日、ききは部活の練習に行きづらさを感じたこともあり、階段の踊り場で一人たそがれていた。そこへ吹奏楽部の練習で自分が初めて踊った曲が流れてくる。ききがその曲に合わせてパートナーのダンスを踊っていると、みちるにそれを見られてしまう。そして、みちるから「私のパートナーになってください」と告げられて……こうして、ききとみちるの挑戦が始まっていく。

 本作は社交ダンスを通して、「好き」や「やりたいこと」に対する様々な困難や葛藤が描かれている。一巻では主に、可愛いものを好み、可愛い姿に憧れを持ちながらも、自身の高身長や過去のトラウマが原因で、自分の本当にやりたいこと(=パートナーとして踊る)を諦めていたききが描かれており、二巻以降も各キャラクターのいろんな意味での「好き」や「やりたいこと」の葛藤が描かれている。コンプレックスや葛藤を持つキャラクター同士の交わりによって生じる感情の交錯が繊細なカットやコマ運びで表現されており、特にダンスシーンは踊っているキャラクターたちの感情がひしひしと伝わってくる。

 そんなわけで、「好き」や「やりたいこと」への向き合い方に悩んでいる人に、特にお勧めしたい一作となっている。

出典:『踊り場にスカートが鳴る』1巻、表紙

桜ヶ森高校・社交ダンス部2年の春間ききは、

「パートナー」(女役)として踊りたいと思いながら

身長が高い自分に「合う役」である

「リーダー」(男役)を続けていた。

ある日、ききは幼馴染からペアの解消を告げられ、

新しいパートナーを探すことに。

……しかし、なかなか新しいパートナーは組めず、

放課後に一人、憧れるパートナーのダンスを踊っていた。

そんな彼女の姿を見た

小柄で華奢な1年生・鳥羽見みちるは

「私のパートナーになってください」と言って手をとり――

1巻あらすじ(『踊り場にスカートが鳴る』1巻、裏表紙より)

作者うたたね游
出版社一迅社
掲載コミック百合姫
レーベル百合姫コミックス
発表2020年8月18日~2025年8月18日(コミック百合姫2020年10月号~2025年10月号)
巻数全6巻

試し読みリンク

踊り場にスカートが鳴るーうたたね游/第1話|一迅プラス

©うたたね游/一迅社

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